ぬるで

大学図書館員の日常と非日常。

大学図書館の調査とか調査とか

はじめに

 ぬるで氏曰く「ああ、この季節がやってきたなあ。調査だ調査だ」と。

 そう、大学図書館員は、春から夏にかけて日本図書館協会の調査が、そして秋ごろから文部科学省の調査があるのである。

 ある日、ぬるで氏は「一本化してほしい」という意見を聞いた。なるほど、たしかに重複項目もあるので一本化するのが合理的な気がしてくる。しかし、実現可能なのだろうか?

 

大学図書館の調査とか調査とか

前提

 日本図書館協会の調査を文部科学省の「学術情報基盤実態調査」に一本化(統合)できるのかを考える。「学術情報基盤実態調査」は国の調査なので。

 

利点・メリット

  • 大学図書館は2つの調査をしなくて良くなる。つまり800ある大学(図書館はもっと多い)の回答時間を減らせる*1
  • 日本図書館協会出版部調査係(事務局)の手間も減らせる*2
  • 「学術情報基盤実態調査」なら(「国の調査なのだから」と、一本化に向けた協議の中で提案すれば)オープンデータにできるかもしれない*3
  • 研究者などが参照する調査が1つで良くなる。

 

欠点・デメリット

  • 数値の間違いに気づく機会がなくなる。
  • 今まで長年にわたって継続された日本図書館協会の統計が断絶する。

 

結論

 「各大学図書館の回答時間を減らせる」メリットを上回るデメリットが見つからない、また、一本化する協議の中で調査データをオープンデータ化できる可能性もあるため、「学術基盤実態調査」に一本化するのは合理的であるという結論に達した!!

 ということで、一本化に向けた方法・手段も考えてみます。

 

一本化する方法・手順

  1. 日本図書館協会図書館調査事業委員会で協議。
  2. 場合によっては、一本化の可否について(特に統計利用者であると思われる研究者に向けて*4)アンケート(学会経由?)。
  3. 文部科学省研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室と日本図書館協会図書館調査事業委員会(もしくは事務局)で調査項目や定義について調整。
  4. オープンデータ化についても提案。
  5. 日本図書館協会理事会で協議。からの廃止!!

 

おわりに

 欠点はもっとたくさんあるでしょうが考えつきませんでした……。

 一本化に向けて(割と本気で、少しづつ、一歩一歩)動いてみようかなと思ったので、投稿してみました。

 

参考

www.jla.or.jp

www.mext.go.jp

*1:1つの調査に1日(8時間)かかるとして、800館(以上あるけど)*8時間=6,400時間!?

*2:連絡・調整・回答取りまとめ・出版(公開)などに時間がどのくらいかかっているかは分かりません……。

*3:なお、日本図書館協会調査のデータは販売している。

*4:大学図書館員はおそらくほとんど賛成だと思うので。

大学図書館職員短期研修の思い出とか感想とか

はじめに

 「大学図書館職員短期研修」が今年度(2021年度)は10月26日(火)~29日(金)まであったんですね(講師の先生も、受講生のみなさんもお疲れ様でした)。ぬるで氏が受講した数年前の思い出と感想を残しておくこととしました。

contents.nii.ac.jp

 

大学図書館職員短期研修の思い出

7年前(2014年)の話

 よくよく調べたら、ぬるで氏が受講したのは2014年度らしいので、もう7年も前のことであった。

contents.nii.ac.jp

 

 どこかにどなたか記録を残していないかとググってみたら、北大のみなさんが残しておいてくれました(感謝m(_ _)m)。おお、そうだったなあと思い出しつつ、振り返ってみる。

sites.google.com

 個々の講義については、資料が公開されているので、感想だけですが……。

 

 まず、「ああ、これで大学図書館員としての足場を固められたかな」とホッとしたのを思い出しました。なるほどWebサイトで調べたりや実際の業務で上司・同僚に聞いたりすることで、大学図書館界というのはこういうものだなと何となく感じていたのですが、ココで体系的に学んだことでしっかりと固まった感じです。

 

 次に、「グループ討議は楽しかったな」と。同世代・同年代も、上の方・下の方もいましたが、一つの課題について話し合えたのは良かったなあと思います。今も繋がっている方は(私以外の)5人中2人くらいですが、講義だけでなかったのが良かったです。

 

 最後に、「打ちひしがれたな」と思いました。グループ討議で「ああ、この人には敵わんなあ」という方と会えました。勝ち負けというのは無いのですが「何もしなければ置いてかれてしまう」という焦燥感を感じられたのは、今思えば良かったなあと思いました。

 

今年(2021年)の話

 さて、今年は全部オンラインだったんですね。時代は変わったなあと思いました。オンラインでグループ討議は上手くいったのでしょうか? どなたか感想などどこかに残してくれると良いなあと、他人任せの願望を書いておきます。

 

おわりに

 今年は大学図書館職員長期研修もオンラインだったんですね。

www.tulips.tsukuba.ac.jp

 

参考

nurude.hatenablog.com

次世代学術研究プラットフォームとこれからの学術情報システムの在り方(学術情報基盤オープンフォーラム2021)を視聴して

はじめに

 ぬるで氏は本日、学術情報基盤オープンフォーラム2021の「次世代学術研究プラットフォームとこれからの学術情報システムの在り方」を視聴して、たいそう驚いたのであった。

 

 以下のページからか、質問への回答・資料または録画動画を公開すると言っていたような気がする*1

コンテンツトラック2 - NII OPEN FORUM 2021

 

 以下、ぬるで氏の理解が間違っているかもしれないので、要注意!

 

一番驚いた内容

 「これからの学術情報システム構築検討委員会」を発展的解消させて、「図書館ネットワークシステム運営協会(仮称)*2」を作る構想があるみたい。JPCOAR(オープンアクセスやリポジトリ)やJUSTICE(電子ジャーナル契約)のように、NIIとNACSIS CAT/ILLシステムを使う機関の共同コミュニティにしたいようだった。

 

これは良いなあと思った内容

 新しいシステムに移行することで、以下のような連携が描けるかもしれない*3ということだった。

  • 電子ジャーナルや電子ブックの書誌データ(ライセンス情報含む)を扱えるようにする。
  • 書誌レコードフォーマットとして、MARC21(世界標準)とCATP(日本独自)の相互運用(変換?)をすることで、世界書誌や国際ILLにも対応する。
  • openBD(https://openbd.jp/)(出版社、書店・システムベンダー)と連携する。

 

雑感

 図書館の基幹システムであるNACSIS CAT/ILLシステムが変わる話で、ワクワクしました。協会設立で有料になるかもしれないという話は置いておいて……。

 ほんの少しだけデジタルアーカイブの話(システムで扱えるようにするような話)があったと思った(なかった?)ので、妄想です。

 現在多くの機関が使っているリポジトリシステムのJAIRO Cloudが新システムに移行しようとしていますが、デジタルアーカイブリポジトリも研究データもすべて次期NACSISシステム(メタデータの流通システム)に乗せられるんじゃない? と思ってしまいました。電子媒体のメタデータも扱うことにするということなので。

 

おわりに

 これから委員会のみなさま。色々と革新的なことを考えてくださり、ありがとうございます! 未来志向的な感じで元気が出ました。

 

参考

第29回 これからの学術情報システム構築検討委員会 議事要旨

https://doi.org/10.20736/0002000138

 

第29回 これからの学術情報システム構築検討委員会 配布資料

https://doi.org/10.20736/0002000137

 

current.ndl.go.jp

*1:まだ公開されていない

*2:名称はうろ覚え。

*3:全て実現できるわけではないが、可能性として。

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