ライブラリ・スキーマとは何か?
はじめに
ぬるで氏は「オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方検討部会審議のまとめ(案)」(以下、審議まとめ(案))を読んで思った。「ライブラリ・スキーマ」って何だ? と。以下でつらつら考えたことを、書きました。
オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方検討部会(第8回)配布資料:文部科学
ライブラリ・スキーマとは何か?
審議まとめ(案)では、ポイントで、
「デジタル・ライブラリー」の実現には、大学図書館機能を物理的な「場」に制約されない形で再定義することが求められる。そのためには、「ライブラリ・スキーマ」を明確にした上で、教育・研究のDXのコンテクストを踏まえ、利用者が何を求めているかを整理・再検討し、それを反映してデザインされた最適な環境を構築する必要がある。
また、本文で、
教育・研究のDXが進展する中、今後の大学図書館には、物理的な「場」に制約されることなく大学図書館機能を実現することが求められている。例えば、教育では「いつでも、どこでも、誰とでも」という教育や学習スタイルへのトランスフォーメーションが想定されるが、その中で情報へのアクセスという観点から教員や学生がそれぞれどのような情報利用空間を必要とするかについての整理・再検討が必要となる。その前提として、様々な利用者に適した図書館のサービスをデザインするために必要な、自らの存在を規定する基本的な論理構造としての「ライブラリ・スキーマ」を明確にする必要がある。
という文脈で「ライブラリ・スキーマ」が登場する。「自らの存在を規定する基本的な論理構造としての」というのが説明になっていそう。
スキーマって何だ?
とその前に、ライブラリーは置いといて、スキーマの意味がよく分かっていない。JPCOARスキーマだと、
とあるので、「規格」のことか?
また、ググってみると、
何かの構造だよ
とあるので、「構造」と考えれば良いのだろうか。
スキーマとは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
ここでは、「規格・構造」くらいに捉えておこう。
「自らの存在を規定する基本的な論理構造としての」ってどういう意味だ?
では次に、「自らの存在を規定する基本的な論理構造としての」について。
「自らの存在を規定する」というのは、「再定義」や「整理・再検討」ということばが出てくるので、大学図書館の役割・機能とは何かを再定義し、ということかなあ。また、「基本的な論理構造としての」というのは、根拠(科学的根拠?)や理論に基づいた、くらいの意味かなあ。
結論
審議まとめ(案)で言わんとしていることは、自分の役割・機能とは何かを再定義し、根拠(科学的根拠?)や理論に基づいた大学図書館の規格・構造を明確にしてくれよ、ということかな。
まだ分かりにくいので、意訳(解釈)すると、根拠に基づいて大学図書館の機能を再定義してくれよな、ということだと受け取りました。
おわりに
「自らの存在を規定する基本的な論理構造としての」の解釈が違うかもしれない。
(追記)
わざわざ、
論理構造としての「ライブラリー・スキーマ」
としてるので、「ライブラリー・スキーマ」は、大学図書館の論理構造と解釈するのが正しいのかもしれません。
そもそも論理構造とは? が分かっていなかったみたいです。上記では文章的な論理構造のことかと思ったけれど、コンピュータ的なデータベースの論理構造かもしれない。
論理構造とは「根拠によって結論を支える構造」のこと - 勝負ドキュメント研究所
データベースの「論理構造」とは何か:ゼロからのリレーショナルデータベース入門(3)(1/3 ページ) - @IT
データベースの論理構造(の比喩?)と解釈すると、大学図書館(サービス?)(ILLとか情報リテラシー教育とかリポジトリとか含めすべて)について、個々に見直しを行い、総体として大学図書館の機能・役割は何かを明確にしてくださいね、ということかもしれません。