ぬるで

大学図書館員の日常と非日常。

図書館の著作権問題って,どうやったら解決できるの?

 

前回*1,図書館の著作権問題について,もの申しましたが,どうやったら解決できるでしょうか?その方策考えてみた*2

大前提

まず,大前提として,著作者団体との協議(話し合い)が必要だ。

「図書館における著作物の利用に関する当事者協議会」という枠組みが既にあるので,ここで話し合いましょう。

個人としての活動は限界があるので,私もこの協議員になりたいのですが,どうやったら,メンバーになれるのでしょか?*3

方策①著作権法の改正

1つ目の方策は「著作権法の改正」であ~る。

著作者団体との協議を基に,著作権法の改正案を文化庁に要望として伝えます。

双方の合意があれば,文化庁も動いてくれるのではないか? と期待しています。

 

または,国会議員さんに陳情する。

著作権法や図書館に関心がある議員さんって,いるのでしょうか?*4

 

改正案は3つ*5あります。

  • 「一部分」を削除する。
  • フェアユースの概念を導入する。
  • 「一部分」の中身を変更する。

方策②権利者団体との契約

図書館における著作物の利用に関する当事者協議会で,図書館団体と権利者団体で「包括許諾契約」を結びます。

現在までにどのような内容で話し合いがもたれていたか分かりません*6ので,契約内容のアイデアだけ列挙してみます。

  1. すべての資料をコピーできるように契約する。
  2. 条件付きですべての資料をコピーできるように契約する。

1.では著作者団体に大幅な譲歩をしてもらうことになるので,厳しいなあ*7

2.の”条件”が重要ですね。どんな条件なら,双方Win-Winになれるでしょうか?

  • 対価を支払う(複写1枚につき1円*8を権利者団体に支払う)から良いよね?
  • 絶版資料はOK?
  • 私的学習目的なら,いいよ?
  • 非営利目的なら,Good?

 おわりに

何年も話し合いがもたれながら,これまで図書館のコピー問題が解決されていないので,Win-Winな条件ってないんでしょうか?

どうしても図書館員目線になってしまうので,権利者の主張が知りたいなあ。

ということで,「図書館における著作物の利用に関する当事者協議会」でのこれまでの話し合いの内容が知りたくなりました。

*1:極私的こんな著作権法だったらいいな案 - ぬるで

*2:国公私立大学図書館協力委員会大学図書館著作権検討委員会の著作権問題への取組にほぼ全て書いてあった。今から8年前の論文ですが,ここから進展していないようだ。参考《座標》図書館と著作権についての「残された問題」

*3:後で調べよう。

*4:これも後で調べよう。

*5:極私的こんな著作権法だったらいいな案 - ぬるで

*6:どこかに載ってるのかな?

*7:図書館資料のコピーによって調査研究が促進されれば,そこから新たに創出された知を出版という形で還元できるため,出版文化の発展にもなるのだ,という論理で押し通せるか?

*8:この値段も考えどころ。

© 2019 - 2023 nurude