ほんのちょっと先の大学図書館の業務
はじめに
先日,NII学術情報基盤オープンフォーラム2019に行ってきた*1。公開された資料とか聴いてきたこととか伝聞とかで,「ほんのちょっと先の大学図書館の業務」を想像してみた。あっ,ちなみに詳しい報告は少しも無いよ!
理解したこと
ざっくりと理解できた事。
- 図書館員が研究データ管理(RDM)に関わることになりそう。
- 新JAIRO CloudはRDMの公開の部分を担えそう。また,デジタルアーカイブにも使えるようになりそう。
- 新NACSIS CATがついに動き出しそう。
ほんのちょっと先の大学図書館業務
20××年,ついに図書館員が夢にまで見た「誰かが1度作成したメタデータを誰もが発見でき,使いまわせる世界」になった。その世界でぬるで氏はどんな業務を行っているか? 少し覗かせてもらいますよ。
某月某日(月)
ぬるで:先生,昨日の実験のデータにメタデータを付けて管理システムに入れておきました。公開可能なデータがあったら,利用条件(ライセンス)を付けて公開して下さい。
研究者:ぬるでさん,ちょっとこっち来てくれます? このデータって公開できると思いますか?
ぬるで:う~ん,そうですね。特許を申請したり,個人情報があったりしないので,大丈夫そうですよ。たくさん引用されるといいですね。
研究者:そうそう。私が使いたいのはこの部分だけだから,他の部分は誰かに使ってもらいましょう。
ぬるで:では,このデータとこのデータはCC-BYで公開しておきますね。
研究者:ありがとう。また実験が終わったら連絡しますね。
某月某日(金)
ぬるで:最近,図書の目録を取ること無くなったよなあ。
同僚:そうだねえ。ほとんど出版された時点でメタデータは作成されてるし,国会図書館も抜けているところの補完が速いからなあ。
ぬるで:余った時間で何やってるの?
同僚:デジタル資源の収集かな。うちの学生さん向けと教員向けにキュレーションしておくんだ。デジタルアーカイブが増えたおかげで,学術情報が大体Webから入手できるようになったからね。
ぬるで:著作権処理とかは大変じゃないの?
同僚:最近はちゃんと利用許諾がある著作物が多いし,昔の学術情報はフェアユース規定に則って,文化庁が一括裁定して使えるようになったからね。
ぬるで:そうか~。隔世の感があるよ。
同僚:そうだなあ。複写だけでも,図書の半分までしかできなかったもんなあ。
おわりに
「リポジトリシステム(JAIRO Cloud)をちょっとずつ拡張していけば,図書館システムになるんじゃない」とか無責任なことを思ってしまいましたとさ(すでに図書館システムにリポジトリ機能を持たせているのもあるし,共同利用で今よりは安くできそうだし)。
参考
*1:1日だけど。