ぬるで

大学図書館員の日常と非日常。

JPCOARスキーマを使ってNACSIS-CATの書誌データを作れるか?

 

はじめに

  以下の記事で,

メタデータを簡単に作成し,流通させるために,初めからJPCOARスキーマを使って,書誌データを作れませんか?

と問いてみたが本当にできるのか? ちょっとだけ付け合わせしてみた。

nurude.hatenablog.com

JPCOARスキーマの項目

まず,JPCOARスキーマで規定されている項目は以下のとおり*1。NACSIS-CATの書誌データ(和図書)を作成するのに関連がありそうな項目だけ太字にしました。

1 タイトル
2 その他のタイトル
3 作成者
4 寄与者
5 アクセス権
6 APC
7 権利情報
8 権利者情報
9 主題
10 内容記述
11 出版者
12 日付
13 言語
14 資源タイプ
15 バージョン情報
16 出版タイプ
17 識別子
18 ID登録
19 関連情報
20 時間的範囲
21 位置情報
22 助成情報
23 収録物識別子
24 収録物名
25 巻
26 号
27 ページ数
28 開始ページ
29 終了ページ
30 学位授与番号
31 学位名
32 学位授与年月日
33 学位授与機関
34 会議記述
35 ファイル情報

NACSIS-CATの項目

次に,NACSIS-CATのコーディングマニュアルで規定されている項目は以下のとおり(とりあえず和図書書誌レコードで)。JPCOARスキーマで記述できそうな項目を太字にしてみた。

第2章 和図書書誌レコードより抜粋
【2.1 ID&コードブロック】
2.1.1 ID(NCID)
2.1.2 MARCFLG(他マークの参照の有無)
2.1.3 GMD(資料の種類)
2.1.4 SMD(資料の種類の詳細)
2.1.5 YEAR(刊行年)
2.1.6 CNTRY(発行場所)
2.1.7 TTLL(タイトルの言語)
2.1.8 TXTL(テキストの言語)
2.1.9 ORGL(翻訳前の言語)
2.1.10 REPRO(複製の有無)
2.1.11 VOL(1巻とか上下とか) ←次期NACSIS-CATでは無くなる予定。
2.1.12 ISBN(ISBN)
2.1.13 PRICE(価格)
2.1.14 XISBN(無効なISBN)
2.1.15 ISSNISSN
2.1.16 NBN(全国書誌番号[日本の場合は国会図書館が発行])
2.1.17 NDLCN(国立国会図書館(National Diet Library : NDL)の印刷カード番号)*2
2.1.18 GPON(米国政府印刷局(Government Printing Office : GPO)の刊行物管理番号)*3
2.1.19 OTHN(他の番号)

【2.2 記述ブロック】
2.2.1 TR(タイトルと著者)
2.2.2 ED(版)
2.2.3 PUB(出版社,出版年)
2.2.4 PHYS(ページ数,大きさ)
2.2.5 VT(タイトルの別読み)
2.2.6 CW(目次)
2.2.7 NOTE(注記)

【2.3 リンクブロック】
2.3.1 PTBL(親書誌) ←次期NACSIS-CATでは無くなる予定。
2.3.2 AL(著者)
2.3.3 UTL(統一タイトル)

【2.4 主題ブロック】
2.4.1 CLS(分類番号)
2.4.2 SH(件名)


結論

 JPCOARスキーマを使ってNACSIS-CATの書誌データを作れるか?

 

 

 

 

 できるんじゃない(適当)。

 

 

 

  だって,ほぼすべての項目に対応してそうだし。

 

おわりに

 これからの学術情報システム構築検討委員会 これからの学術情報システムの在り方について(2019)の3ページ目に「3.進むべき方向性」として,

(4) メタデータの高度化
他機関(NDL,出版社等)と連携し,RDA(Resource Description and Access)及び日本目録規則 2018 年版への対応のほか,BIBFRAME 等の新たな国際標準への対応について検討を行う。

とありますが,JPCOARスキーマの各項目へ書き込むときに,RDAとか日本目録規則 2018 年版とかに即して書けばよいのかなあ。

 BIBFRAMEについては,よく知らない。JPCOARスキーマと相性は良さそうな感じはする。今度調べることとする(自分へ)。

参考

schema.irdb.nii.ac.jp

 

www.jstage.jst.go.jp

 

catdoc.nii.ac.jp

 

これからの学術情報システム構築検討委員会 これからの学術情報システムの在り方について(2019)

https://www.nii.ac.jp/content/korekara/archive/korekara_doc20190215.pdf

 

これからの学術情報システム構築検討委員会(2018)NACSIS-CAT/ILL の軽量化・合理化について(最終まとめ)

https://www.nii.ac.jp/content/korekara/archive/korekara_doc20181019.pdf

 

www.jstage.jst.go.jp

 

www.jstage.jst.go.jp

 

www.ndl.go.jp

 

*1:今回はじめてちゃんと読みました。

*2:こんなのあったんだ。記入したことがない。

*3:これも記入したことがない。

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